楽十代旦入 黒楽茶碗|なおし跡共直し
楽十代旦入 黒楽茶碗|なおし跡共直し
江戸後期の茶碗、ご依頼いただいた方のご師匠様の形見のお品物だそう。
大事にしたいお茶碗ではあるものの、なおし跡や傷口が目立つ状態でこのままではあまりにも茶碗がかわいそうで、、、ということで修理のご相談いただきました。
共直しの場合、漆だけでななく化学樹脂などを使用することも時としてありますが、黒楽茶碗の共直しは自然素材である漆だけで修繕できます。天然のものなので口に含んでも安心、歴史のある素材なので経年変化なども見越せる安心な修繕方法です。
確かに痛々しい姿でしたが、江戸後期に作られて割れてしまった後も現代まで大事に守られて来たんだなあとも感じます。
修理後は、元々のあるべき姿、表情に戻りました。
修復は時間を巻き戻すような不思議な仕事です。
2016年修理
旦入:江戸後期の茶碗師。楽家十代。京都の陶工、樂 吉左衞門(らく きちざえもん)は、千家十職の一つ、楽焼の茶碗を作る茶碗師の樂家が代々襲名している名称。
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2017.8/23